2009年05月28日

家庭での屠殺は合法?違法?

豚.jpg

 
 
 将来的にやってみたいことの一つに
 「豚を育てる。そして食べる」ということがあります。
 
 
 風の噂によれば、スペインのイベリコ豚という奴は大層美味だと聞きます。
 
 イベリコ豚の特徴は、広い牧場で放牧し、ドングリを食べさせて育てること。
 
 良い餌を食べて、ストレスのない環境で育った豚なんですね。
 そりゃ肉も美味しくなるはずです。
 
 
 そんな豚、食べてみたいじゃないですか。
 どうせだったら「豚もつ鍋」とかもしたいじゃないですか。
 
 そのためには、自分でイベリコ(風)豚を育てないといけない。
 
 ま、いつか(数年以内くらいには)そんなことをしようと思っています。
 
 
 
 しっかし。
 
 
 
 その前に一つ、気になっていることがあるのです。


続きを読む前に


 
 それは
 「豚の屠殺(殺して解体すること)は、家庭では出来ないのではないか」
 ということ。
 
 
 農業関係の本でよく触れられているのが、
 日本の農家は「酒造権」と「家畜屠殺権」を国に奪われた、ということ。
 
 
 これは、どーいうことかというと。
 
 家庭で酒をつくるのは、以前にもメルマガで書いたように、違法行為。
 密造酒というやつです。たとえ自家消費用であっても、違法なんです。
 
 それと同様に、自分で家畜を育てて、屠殺して、自家消費するのも、
 法律では禁止されているという話を、よく聞きます。
 
 もう少し詳しく言えば、鶏まではOKだけれども、
 豚以上(馬とか牛)になると、家庭では屠殺できず、
 屠殺場(と畜場)に持っていって解体しないといけない。
 
 という話を聞きます。
 
 
 
 さて。
 
 
 
 こういう話を「聞く」ことはよくあるのだけれども、
 この話の根拠は、一体どこにあるのだろうか。
 
 調べてみました。(゜▽ ゜)
 
 
 例によってグーグル先生に尋ねたところ、
 この問題の法的な根拠は「と畜場法」という法律にあるそうです。
 
 
 『と畜場法 第1条』
 
 この法律は、と畜場の経営及び食用に供するために行う獣畜の処理の適正の
 確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講じ、もつて
 国民の健康の保護を図ることを目的とする。
 
 
 ってな目的の法律です。
 
 注目すべきは、第3条の文面。
 
 
 
 『と畜場法 第3条』
 
 1.この法律で「獣畜」とは、牛、馬、豚、めん羊及び山羊をいう。
 2.この法律で「と畜場」とは、食用に供する目的で獣畜をとさつし、
   または解体するために設置された施設をいう。
 
 
 
 はい、注目ぅ〜。(金八風)
 
 
 この法律の定める「獣畜」は、牛、馬、豚、めん羊、山羊とあるわけです。
 
 めん羊ってのがよく分からなかったので辞書を引いてみたところ、
 
  めんよう【綿羊】
  ヒツジの一種。厚く生えた毛は、毛糸・織物などに作る。
 
 とあります。
 
 
 
 つまり。
 
 「と畜場法」では、ニワトリ・イノシシ・シカ・めん羊以外の羊・犬・猫・
 サル・ワニ・ダチョウ・ラクダ・バッファロー・キリン等々の動物に
 ついては、定義していないということです。
 
 だから、ニワトリやイノシシを農家が解体することは、よくあるけれど、
 と畜場法で規定された「牛」は、農家が解体することが出来ないんですね。
 
 
 さて。今回の話のメインである
 「と畜場以外で解体すんじゃねーよ」という意味の条文は、
 と畜場法第13条にありました。
 
 
 
 『と畜場法 第13条』
 
 何人も、と畜場以外の場所において、
 食用に供する目的で獣畜をとさつしてはならない。
 
 
 
 と、あるのです。この条文があるから、豚の解体は、家庭ではできない。
 
 僕が風の噂でよく耳にする「農家に家畜屠殺権は無い」というのは、
 と畜場法第13条が根拠になっていたわけです。
 
 しかし、実際にこの条文を読んでみたところ、
 法律には続きがありました。
 
 
 
 『と畜場法 第13条』
 
 何人も、と畜場以外の場所において、
 食用に供する目的で獣畜をとさつしてはならない。
 
 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
 
 1.食肉販売業その他食肉を取り扱う営業で厚生労働省令で定めるものを
   営む者以外の者が、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、
   都道府県知事に届け出て、主として自己及びその同居者の食用に供する
   目的で、獣畜(生後1年以上の牛及び馬を除く。)をとさつする場合
   
 2.獣畜が不慮の災害により、負傷し、又は救うことができない状態に陥り、
   直ちにとさつすることが必要である場合

 3.獣畜が難産、産褥麻痺又は急性鼓張症その他厚生労働省令で定める疾病に
   かかり、直ちにとさつすることが必要である場合
   
 4.その他政令で定める場合
 
 
 
 はい、注目ぅ〜。(金八風)
 
 
 この1に書かれている条件、食肉販売業その他〜うんぬん、とありますが、
 これを読んでみると、販売は出来ないものの、自家消費用であれば、
 獣畜を屠殺して良い、と書いてあるんですよ(届出を出せば)。
 
 
 豚、屠殺してOKの予感! (゜▽ ゜)
 
 
 で、またグーグル先生に貴重なお時間を割いてもらって
 調べていただいたところ、こんなニュースがありました。

 
 
 ・沖縄タイムス2006年12月2日(土) 朝刊 27面の記事より
 
   家庭でヤギ屠殺 実は合法/届け出制周知されず(沖縄タイムス)
  
  ヤギを家庭で屠殺するのは事前に県に届け出れば合法的にできるにも
  かかわらず、県が「衛生上問題がある」として長年、周知を怠ってきた
  ことが一日までに分かった。
  
  少なくとも過去十年間、届け出は一件もなく、統計上は県内では家庭での
  屠殺は存在しないことになっている。しかし、事情に詳しい愛好家らは
  制度が知られていないために、無届けの「密殺」が広く行われている実態を
  指摘。「広報しない県の怠慢が違法行為を助長し、食文化の危機を招いてい
  る」と批判している。
  
 
 
 沖縄では、伝統的にヤギ肉が食べられており、
 家庭でヤギを解体するということが、よく行われているらしいんです。
 
 で、家庭で屠殺&解体する場合には、
 本当だったら届出を出せばOKになるにも関わらず、
 誰もそんなことを知らないから、届出を出さずに屠殺・解体してきた。
 
 沖縄県も、届出を出せば合法的に解体できるということを
 知らせていなかったため、違法の解体がほとんどである。
 
 
 ってことなんです。
 
 
 たぶん、ほとんどの農家が知らないことだと思いますが、
 実は「届出を出せば、豚の屠殺・解体は家庭で出来る」のです。
 
 
 当初の目的「自分で豚を育てて、食べる」という観点からいえば、
 届出を出して無事に受理されれば、合法です。
 
 ただし、販売は出来ないようです。あくまで「自家消費用」。
 
 自分で、「と畜場法」で定める家畜である、
 生後1年以内の牛&馬、豚、めん羊、山羊を屠殺するのは、合法です。
 
 
 
 で。ここで気になるのが、「と畜場法」で定められていない動物は、
 どうなるのかということです。
 
 
 『ダチョウを育てて、「届出無しに」屠殺・解体し、自家消費した』
 
 
 こういうケースは、どうなるんですかね。合法なんでしょうか。
 と畜場法で規定されていない家畜については、自由なんでしょうか。
 
 もっと細かく言えば「イノブタ」はどうなるんでしょうか。
 豚の仲間という解釈になるんでしょうか。
 
 
 食肉を販売したら、別の法律に引っかかって違法な感じがしますけれど、
 自家消費用だったら合法になるような気がしないでもない今日このごろ。
 
 日テレの『行列のできる法律相談所』で取り上げてくれないかな。
 
 取り上げないだろうなぁ。

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【関係ありそうな本】

 『豚のPちゃんと32人の小学生―命の授業900日』
 http://www.amazon.co.jp/dp/4623038335/ref=nosim/?tag=katonodoka-22


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posted by 加藤のどか at 11:45| 高知 ☔| 農業のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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