2009年05月11日

憲法九条を切り損なってみよう・前編

憲法九条.jpg

 
 5月2日の書評の回で、『憲法九条を世界遺産に』という本を紹介したところ、
 メールでいろいろ意見もいただきましたし、
 コメントボードにも数件のメッセージを書き込んでいただきました。
 
 5月2日のコメントボード
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 反応を見てみるに、憲法九条は多くの人の興味をそそる話題だと思うので、
 ここでもう一度、取り上げてみようと思います。(田舎暮らしメルマガだけど)

 
 憲法九条について書くといっても、僕は法律の専門家じゃありませんし、
 教授だとか政治家なんかでもないんですが。
 
 ま、一応、日本国民の一人として投票権なんかも持っているようですので、
 現代の若者のひとつの意見として読んでくれ、ってな感じです。
 
 高知の山奥の農家もどきは、憲法九条について、
 こんなふうに考えているというだけの話です(と、予防線を張っておいて)。
 
 
 
 でわ。憲法九条について、切り損なってみようと思います。(゜△ ゜)
 
続きを読む前に


 
 
 最初に結論を言っておきます。
 僕は憲法九条は、あったほうがいいと思っています。
 
 いわゆる「護憲派」というのに、なるんでしょうかね。
 
 
 なので、まずは「改憲」の意見に反対しておこうと思います。
 
 
 
 憲法改正の意見として代表的なものは、
 「他国から攻められたときに、軍隊が無かったらどうするんだ」
 というものですね。
 
 北朝鮮や中国が、もし日本に攻め込んできたら、どうするのか、と。
 
 憲法九条をバカみたいに守っていて、戦争が出来ない国だったら、
 ただ占領されるだけではないか。
 
 自国を守るくらいの軍隊を持つのは、国として当然だ。
 
 そういう意見が、代表的だと思います。
 
 
 
 では、日本が侵略されないためには、
 どのくらいの軍事力が必要なのでしょうか。
 
 
 
 これも結論からいえば、僕は、核兵器を持たない限り、現代の世界において、
 軍事的に独立するということは、ありえないと思っています。
 
 
 日本が憲法九条を改正して、自衛隊を「軍隊」として活動できるようにした。
 
 それだけでは、自衛にはなりません。
 
 北朝鮮くらいだったら戦えるかもしれませんが、
 中国やアメリカやロシアと戦えるはずがないと思います。
 
 
 
 大国の軍事力というのは、核のパワーバランスによって成り立っています。
 
 お互いに、相手国を滅ぼせるほどの核兵器を持っているから、
 戦争が起こらないということです。
 
 核を持たない限りは、交渉のテーブルつくことすら出来ません。
 
 いくら立派な自衛隊を持っていても、
 相手国が核ミサイルの100本でも持っていれば、終わりです。
 
 
 
 迎撃ミサイルシステムなるものもありますが、
 僕は(軍事に詳しいわけじゃないけれど)、あんなものは
 役に立たないと思っています。
 
 
 100%、ミサイルを迎撃できるシステムなんて、ありません。
 
 
 今の迎撃システムだったら、1本のミサイルを打ち落とすことも
 難しいんじゃないでしょうか。
 
 どんな攻撃からも守ってくれるようなミサイル迎撃システムなんて、
 あるはず無いです。少なくとも、僕が生きているうちには、
 開発されないんじゃないですか。
 
 中国の故事に「矛盾」ってのがありますが、
 ミサイル迎撃システムなんて、あれの21世紀版だと思います。
 
 どんな攻撃をも防ぐ盾。そんなものは、ありません。
 
 (余談ですけれど、日本が迎撃ミサイルシステムに資金をつぎ込むのは、
  アメリカの軍需産業を儲けさせているだけのことだと思う)
 
 
 
 日本が軍事力を持って「普通の国」になりたいのであれば、
 報復目的のための核兵器を持たなくてはいけないと思います。
 
 具体的には、小型原子力潜水艦に、何発かの小型核ミサイルを搭載。
 そいつを日本海&太平洋に常時、泳がせておく。
 
 もし、日本が核攻撃されることがあれば、報復の核を相手国に撃ち込む。
 
 僕は、そういう方法以外に、軍事的な独立案というのを思いつきません。
 
 
 
 で。改憲を主張する人たちに聞きたいのは、
 日本が核を持つことが有り得ると思うのか、ということです。
 
 
 「今日から日本は核を持ちまーす♪」といって持てるのであれば、いいですよ。
 日本には、核開発できる技術は、あるでしょうし。
 
 僕は「日本が核兵器を保有する」というのは、良い選択肢だと思います。
 
 それが出来るのであれば。でも、現実的には出来ないと思う。
 
 
 日本国内からの反発もさることながら、中国・アメリカ・ロシア、
 世界中の大国はみんな反対するでしょう。
 
 というか、大国のみならず、世界中の国が反対します。
 自分以外の国が核を持つことに賛成する国なんか、いません。
 
 日本が核を保有して、軍事的に独立したいのであれば、
 世界の大半(と、日本国民の半分)を敵に回す覚悟が必要です。
 
 
 で。日本はそんなこと、出来ない。
 
 
 日本が他国に頼らない純粋な防衛力を持つのは、不可能だと思うのです。
 
 
 
 日本は、軍事的に独立することは、出来ません。
 
 では、他国の侵略から守るためには、どうすればいいか。
 
 
 
 ひとつの解決策は、強い国に守ってもらうことです。
 現在の日本が採用している方法が、これですね。
 
 アメリカという大国と安保条約を結んで、
 もし日本が攻撃された場合には、アメリカに攻撃してもらう。
 
 
 日本はいままで、お金だけを出していたけれども、
 それだけでアメリカに守ってもらおうというのは、虫の良い話。
 
 だから、アメリカの軍事行動に協力できるくらいには、
 自衛隊を動かせるように、憲法を改正しようじゃないか。
 
 そういう策(改憲論)もあるでしょうけれど。
 
 
 
 僕は、この解決策も、現実的ではないと思うのです。
 
 
 
 これも結論から言いますけれど、
 日本が攻撃されたときに、アメリカが助けてくれるとは思いません。
 
 北朝鮮からの攻撃くらいだったら、アメリカは出動するかもしれませんよ。
 
 でも、万一、中国からの攻撃を受けたときに、
 アメリカが日本のために戦うと思いますか?
 
 
 相手は、核保有している超大国、中華人民共和国ですよ。
 
 
 アメリカが日本のために、自国が核攻撃されるような危険を冒してまで、
 中国と戦争すると思いますか? 僕は、戦争するとは思いません。
 
 「安保? シラネ(゜△ ゜)」っていう態度になると思いますよ。アメリカ。
 大国と日本との戦争になれば、日本は見捨てられるまでのこと。
 
 アメリカ(などの同盟相手)がいざというとき、
 日本を守ってくれるというのは、幻想でしかないと思います。
 
 
 
 もう一点、この方法が問題なのは、
 アメリカの力は将来的には下落していくであろうということ。
 
 現代でこそ、アメリカは世界一の軍事力を持つ国ですが、
 何十年後も世界一の座にあるかというと、そうは思いません。
 
 世界一のパワーを持つ国は、数十年で代わってゆきます。
 
 
 アメリカは50年後には、中国やインドに抜かれていると思います。
 
 そのときに、日本はどうするのか。
 
 
 50年後、世界一の大国となった中国と安保条約を結び、
 今度は中国に守ってもらうことにするのか。
 
 常に、世界一の大国を見極め、お金を貢ぐ代わりに軍事的に守ってもらう。
 
 これもたしかにひとつの戦略です。
 アリに守ってもらうアブラムシみたいなものです。
 
 
 
 この戦略の問題は、2つ。
 
 ひとつは、「アメリカより中国が強くなったから、中国に付く」
 というような方向転換を、アメリカが許すか、ということ。
 
 アメリカ(未来においては、中国よりも弱い)を振り切ってまで、
 中国に擦り寄れるほどの外交力を、日本が発揮できるのか、ということ。
 
 そして100年後、中国のかわりにインドが世界一になったら、
 今度はインドに擦り寄っていけるのか、ということ。
 
 常に、世界の強国との同盟を保持し、日本の安全を確保する。
 
 そんな芸術的な外交を、日本が出来ると思いますか?
 僕は、出来ないと思います。
 
 
 
 もうひとつの問題は、単純に、かっこわるい。
 1億もの人間を抱える大国の態度として、アブラムシはどうかと思う。
 
 「トラの威をかるキツネ」的な態度を取り続ければ、
 日本はやがて、世界から信用を失っていくでしょう。
 
 国民も、自分の国にプライドを持てるでしょうか。
 
 「常に、世界ナンバーワンを見極めて、守ってもらう」という戦略は、
 国としてのプライドは感じられません。
 
 国にプライドを感じられなかったら、
 国力もじわりじわりと衰退していく一方だと思います。
 
 
 
 ですから、自衛のために「大国に守ってもらう」という選択肢も、
 現実的ではないと、僕は思っているのです。
 
 終戦から現在までは、安保の相手のアメリカが、
 圧倒的な超大国の位置にあったから、その戦略は有効でしたけれども、
 この戦略が今後何十年も有効だとは、とても思えないのです。
 
 
 
 まとめます。
 
 
 
 改憲したところで、世界から孤立して核兵器を持つほどの
 覚悟がなければ、軍事的な独立は果たされない。
 
 核保有を目的に改憲するのでなければ、
 中途半端な軍隊があるだけの結果に終わる。
 
 そして、改憲して、アメリカの腰ぎんちゃくとして、
 より有能な働きを行えるようになったところで、自衛には繋がらない。
 (アメリカは日本を守らないし、アメリカは超大国ではなくなる)
 
 
 僕は、「改憲」の先に見えるものが何もないから、
 改憲には賛成しにくいのです。
 
 
 では、「護憲」の先には、どういう未来を予想しているのか。
 
 それはまた明日の話ということで。
 
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posted by 加藤のどか at 12:00| 高知 | いろいろなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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