2009年05月10日

梅酒は違法

梅酒.jpg

 一昨年のことになりますが。
 
 北海道ニセコ町のペンションオーナーが、
 宿泊客に自家製の梅酒を提供していたところ、
 法律違反で行政指導を受けるという事件がありました。
 
 梅酒をつくり、他人に飲ませたことが、法律違反なのです。

続きを読む前に

 
 酒税法によって、どぶろく作りなどのアルコール醸造が
 禁止されているということは、以前にメルマガで書きました。
 
 ※「都会育ちの田舎暮らし」407号
  http://archive.mag2.com/0000246354/20081022114500000.html?start=160
  
 
 しかし、梅酒づくりは、アルコール醸造ではありませんね。
 
 酒屋さんでホワイトリカー(焼酎)を買ってきて、
 梅と氷砂糖をぶち込んで、半年くらい置いておくのが「梅酒づくり」。
 
 どぶろくとは、ちょっと話が違うのです。
 
 
 
 そもそも、なんで酒づくりが法律違反になるのか。
 
 素人が勝手に酒を造ってしまえば、粗悪な酒が出来るかもしれない。
 そういうものが出回ったら国民の健康上よろしくない。
 
 ・・・というような、厚生省的理由であれば、納得いくんですが。
 実際は、そうではありません。
 
 酒税法というのは、純粋に、税金のための法律です。
 税金を取る以外の目的は、ありません。
 
 
 
 もともと農家は、自分の家で酒をつくっていました。
 自分で米をつくり、味噌をつくるのと同じように、酒もつくっていたんです。
 
 
 そこで、「酒が金になる」と目をつけたのが、明治政府。
 
 当時は戦費獲得のために、多額の税金が必要だったようです。
 で、個人での酒造りを禁止して、大会社のみに酒造りを許可しました。
 
 政府は、大会社でつくる酒に税金をかけた。
 個人でつくる酒は税金を徴収できないから、徹底的に取り締まった。
 
 酒を飲まないわけにはいかないから、
 みんな、自宅で酒をつくるのはやめ、税金が加わった酒を買うようになった。
 
 で、政府は税金が増えて嬉しかった。
 
 
 というのが、酒税法の発端です。明治時代の戦費調達のために作られた法律が、
 現代まで続いているということです。
 
 
 
 どぶろく作りは、百歩譲って、法律の目的にかなっているとしましょうか。
 
 勝手に酒造りをされては、税金のかかった酒の売り上げが減るから、良くない。

 なんとも自分勝手な法律だとは思いますが、
 ま、百歩譲って、千歩譲って、マンボ踊って、認めるとしましょうか。
 
 
 
 でも梅酒の場合は、既に税金を払っているわけですよ。
 
 
 
 アルコールを作っているわけでは、ないのです。
 原料のホワイトリカーを買う時点で、酒税を払っているんです。
 
 ですから、酒税法の理念から外れていないんです。梅酒は。
 
 酒を造っているのではなく、酒を「加工」しているだけなんですよ。
 
 
 梅酒が「酒づくり」になってしまうのであれば、
 居酒屋の「カルーアミルク」も酒造りになってしまいます。
 
 だって、ブレンドしているじゃないですか。
 
 ホワイトリカーを梅酒にするのと、
 カルーアをカルーアミルクにするのって、何の違いがあるんですかね。
 
 自家製梅酒を売るのが法律違反なのであれば、
 自家製カルーアミルクを売るのも法律違反だと思うのですが。
 
 
 梅酒とカルーアミルクの間に、僕は全く違いを感じられませんが、
 法律的には違いがあるようです。
 
 法律的には、梅酒をはじめとした果実酒は「自分と、同居家族」が
 楽しむ分に限ってのみ、振舞うことが許されているのです。
 
 それ以外の人に振舞ったら、法律違反になるのです(たとえ売らなくても)。
 
 
 
 ですから、冒頭で書いたように、
 ペンションのオーナーが宿泊客に振舞うのは、違法。
 
 自家製の梅酒を近所の直販所なんかで売ったら、超違法。
 
 厳密に言えば、実家に帰省した息子が、
 おばあちゃん手作りの梅酒を飲むのも違法なんです。
 
 帰省で帰ってきた息子は「同居家族」じゃないから、違法なんです。
 
 
 
 どぶろくといい、梅酒の件といい、
 酒に関してはなんとも納得のいかない法律ばかりですが。
 
 先日、明るいニュースがありました。
 
 
 
 「自家製でウメ〜酒 規制緩和、近畿100カ所以上で開発」
 http://www.sankei-kansai.com/2009/04/30/20090430-009353.php
 
 この記事によれば、北海道ニセコ町のペンションでの事件が契機となり、
 酒税法が改正されたようなのです。
 
 酒場や料理店に限って、申請さえすれば、
 自家製梅酒などを提供できるようになったとのこと。
 
 まだ店など限定の法律改正で、「個人」に対しての許可ではありませんから、
 相変わらず、帰省した息子に手作り梅酒をふるまうおばあちゃんは
 犯罪者ということになるんですが。
 
 喜ばしい法律改正であることは、たしかです。
 
 
 
 これを機に、梅酒等の果実酒の、個人販売の許可までも
 法律改正を進めていただきたいものです。
 
 そうすれば、全国各地の農家で、季節ごとの果実酒がつくられて、
 それを販売するという小さなビジネスも成り立つわけです。
 
 おばあちゃんも、警察の影におびえることなく、
 帰省した息子に手作りの梅酒を振舞えるというものです。
 
 誰だか知らないけれど、霞ヶ関の偉い人。よろしくお願いいたします。
 
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posted by 加藤のどか at 12:00| 高知 | 田舎暮らしのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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