2009年05月08日

二等米

二等米.jpg

 
 普通の人には、あまり馴染みのないことでしょうけれども、
 お米には「等級」というものがあるのです。
 
 一等米・二等米・三等米・規格外米というように、
 お米はランク付けをされているんです。
 
 
 京極さんが、茶碗一杯食べ切れたら三等米、
 京極さんが、笑顔で茶碗一杯食べ切れたら二等米、
 京極さんが、涙を流しながら食べたら一等米(四万十川の鮎の天ぷらレベル)。
 
 そういうランク付けならば、まぁ納得もいくんですが。
 
 実際は、そういうランクの付け方ではありません。
 
 
 味は全く関係ないんです。
 
 
 
 一等米・二等米というランク付けは「見た目」によって、行われるのです。
 
続きを読む前に

 
 お米の中には「着色米」といって、
 色がついてしまった米が出来てしまうことが、あるのです。
 
 この原因は、カメムシ。
 
 パクチー(コリアンダー)の匂いがする、あの臭い虫ですね。
 
 (ちなみに、カメムシを何匹もまとめて潰すと、
  ブルーベリーガムのような匂いがします。一度おためしあれ♪)
 
 
 カメムシが、お米の実の汁を吸ってしまうんです。
 そうすると、黒っぽい色がついた米ができてしまう。
 
 これを「着色米」というのです。
 
 
 お米のランク付けの基準は、以下のようになっています。
 
 
 ・一等米・・・着色米が0.1%以下
 ・二等米・・・着色米が0.3%以下
 ・三等米・・・着色米が0.7%以下
 ・規格外米・・着色米が0.7%以上
 
 
 つまり、一等米になるためには、
 着色米が1000粒中、1粒以下でないといけない。
 
 1粒以上の着色米があったら、二等米にランクダウンしてしまうんです。
 
 
 着色米があるといっても、味は全く変わりません。
 
 1000粒中、1粒が着色米である一等米と、
 1000粒中、5粒が着色米である三等米とを食べ比べてみても、
 違いが分かる人なんか、ほとんどいないと思います。
 
 (本当は、米のランク付けには着色米以外の要素もあるのですが、
  今回は話の流れ上、無視します。詳しく知りたければググってくれ)
  
 
 
 味の違いは無いのだけれども、着色米があればランクが下がるのだから、
 カメムシが近寄らないように、農家は頑張ります。
 
 
 農薬散布を行うということ。
 
 
 カメムシ対策によく使われるのは、
 ネオニコチノイドと呼ばれる農薬。
 
 以前の書評で、ミツバチがいなくなった話を取り上げましたが、
 ミツバチ行方不明事件の原因のひとつとされていたのが、
 この、ネコチノイド系農薬です。
 
 ※ミツバチの話(バックナンバー)
  http://highknowledge.seesaa.net/article/115984436.html
 
 ※カメムシの害について
  http://www.syngenta.co.jp/support/gaichu/gaichu21_kamemusi.html
 
 
 一等米を作りたければ、農薬散布は欠かせません。
 
 1000粒に2粒、着色米があれば、二等米になってしまうんですから。
 
 田んぼからすべてのカメムシを追い出すほどに農薬散布しなければ、
 一等米を作り上げるのは、難しいと思います。
 
 
 
 さて。
 
 このような農薬散布。果たして、必要でしょうか?
 
 例えば、次のような二種類の米のうち、どちらを食べたいと思いますか?
 
 
 
 1000粒中、着色米は1粒以下の一等米。農薬はたくさん使った。
 
 かたや、着色米が5粒もある三等米。農薬はあまり使っていない。
 
 
 
 皆さんだったら、どっちの米を食べたいと思いますか?
 
 普通の感覚だったら、農薬使用量の少ない三等米のほうを
 食べたいと思うんじゃないでしょうか。
 
 だって、1000粒中、着色米はたったの5粒ですよ。
 しかも味には影響ないんだし、毒でもない。見た目だけの問題。
 
 だったら、農薬使用量が少ないほうを買いたいというのは、
 ごく普通の感覚じゃないでしょうか。
 
 
 
 僕は、農薬や除草剤、すべて無くせという意見ではありません。
 必要な農薬や除草剤は、あります。
 
 稲を病気から守る農薬は必要だと思うし、
 農家の作業を軽減する除草剤も欠かせません。
 
 でも、中には「必要のない農薬」も、たくさんあると思います。
 
 
 
 着色米が出ないよう、カメムシに対して散布する農薬も、そのひとつ。
 
 1000粒も米があれば、何粒かはカメムシだって吸いますよ。
 いいじゃないですか。そのくらい。カメムシだって、お腹が減りますよ。
 
 それを「1000粒中、1粒以下」という基準を求める、
 農協だか農水省だか白米至上主義教会だか知らないけれど、誰かさん。
 
 宗教レベルですよ。白ごはん信仰。白米様信仰です。
 
 そこまで「米の見た目」にこだわる必要が、あるんでしょうか。
 というか、消費者の要望なんでしょうか。それは。
 
 
 
 文化が違うから一概に比較することは出来ないと思いますが比較します。
 
 海外だったら、こういう着色米の基準って、無いんじゃないでしょうか。
 あったとしても、0.1%以下なんていう厳しさではないと思う。
 
 だいたい、海外の人たちは、日本人のように
 「茶碗にもった白いごはん」で食べませんからね。
 
 ピラフだのカレーだのチャーハンだのにすれば、
 たとえ1000粒中に10粒の着色米があったとしても、
 まず、分からないと思いますから。
 
 
 
 誰だか知りませんけれど(知りたい人は調べて)、
 米のランク付けの基準をつくっている人は、
 誰のために、一等米だとか二等米だとかの基準をつくっているのでしょうか。
 
 おそらく、消費者にとっても、生産者にとっても、勿論カメムシにとっても、
 あまり有益ではないシステムのように思えます。
 
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posted by 加藤のどか at 12:00| 高知 ☁| 農業のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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