2009年05月01日

ねぎぼうず

ねぎぼうず.jpg

 
 
 庭に植えてあるネギに、花が咲きました。
 
 
 ネギの花のことを、通称ネギボウズといいます。
 
 ※ネギボウズの画像
 ⇒ http://photolibrary.jp/img78/11061_243767.html
 
 
 もともとは「ネギ帽子」とも言ったらしいですね。
 ま、上の写真を見てもらえれば、一目瞭然だと思います。
 
 まさに「ネギ帽子」というにふさわしい、
 愛嬌のある、そして特徴のある形の花を咲かせています。


続きを読む前に

 
 ところで、橋の欄干や、神社の階段に、
 スライム型の置物チックなものがあるのを、ご存知でしょうか。
 
 こんなのです⇒ http://tinyurl.com/dk9f59
 
 
 これは「擬宝珠(ぎぼし)」というものなんですが、
 実はこれ、ネギボウズをかたどったものなんです。
 
 ネギの強烈な匂いは「魔よけ」の効果があるとされていましたから、
 村と外部との境である「橋」や、神聖な場所である「神社」に
 「魔」が入り込まないように、ネギをかたどった置物を祭ったんです。
 
 
 第一、擬宝珠(ぎぼし)という名前自体が、
 ネギボウズの音読みに由来するものです。
 
 
 葱坊主(ねぎぼうず)⇒葱(ぎ)坊(ぼ)主(し)⇒ぎぼし⇒擬宝珠
 
 
 ってことで、葱坊主=擬宝珠ということなんです。
 「擬宝珠」という感じは、「ぎぼし」という音に当てただけのものですね。
 
 
 
 しかし。
 
 
 
 僕がネギボウズから連想するものといえば、
 橋の欄干に鎮座する、あのメタルスライムのことではありません。
 
 
 
 コロ助です。
 
 おそらく、僕と同い世代の方ならば、分かってくれるはず。
 ネギボウズといえば『キテレツ大百科』のコロ助ですよね。
 
 ブタゴリラのお父さんの熊八さんが、コロ助を呼ぶときの、あだ名です。
 
 
 
 何のことやら分からない皆さんのために、一応解説しておきます。
 
 
 
 『キテレツ大百科』は、かの『ドラえもん』で有名な藤子F先生の漫画。
 または、そこから派生したアニメ作品を指します。
 
 『ドラえもん』と比較すれば
 
 
 ・ドラえもん=コロ助
 
 ・のび太=キテレツ
 
 ・ジャイアン=ブタゴリラ
 
 ・ジャイアンの母=ブタゴリラの父(熊八)
 
 
 どちらの作品も、ほぼ同じ人間関係で成り立っています。
 
 今日の話を理解するためには、このくらいの前提があれば十分です。
 『ドラえもん』を知らない人は、どうしようもありません。諦めてください。
 
 
 
 『キテレツ大百科』において、ブタゴリラの父がコロ助を呼ぶときの名前が
 「ネギボウズ」です。「おい、ネギボウズ!」のように使います。
 
 ジャイアンのお母さんがドラえもんのことを「青だぬき!」と呼ぶようなもの。
 いや実際には呼んでいないですけれど、そんなイメージだということです。
 
 
 なんでブタゴリラの父がコロ助を「ネギボウズ」と言うかというと、
 コロ助のちょんまげの形が、ネギボウズにそっくりだからです。
 
 ※コロ助の画像
 ⇒ http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%ED%BD%F5
 
 
 
 僕は小学生のころに『キテレツ大百科』を観ていたのですが、
 当時は、なんでコロ助が「ネギボウズ」と呼ばれているのか、
 分かりませんでした。
 
 そりゃ、東京で生まれ育った小学生なんだから、知らなくて当然です。
 
 ネギの花なんて見たことがない。
 そもそも、畑すら見たことがなかったんですから。
 
 
 
 これは、僕が特殊なのではないと思います。
 
 当時『キテレツ大百科』を観ていた子供たちの大半は、
 ネギの花を見たことが無かったと思いますよ。90年代の話ですから。
 
 みんな、なんでコロ助がネギボウズと言われるのか、
 その理由は分かっていなかったと思います。
 
 
 
 大人になって振り返ってみると、ブタゴリラの父に
 「ネギボウズ」という台詞を言わせた藤子F先生の決断は、
 すごいものがあるな、と感じ入るのです。
 
 おそらく作者の藤子F先生は、子供たちが「ネギボウズ」を
 知らないことなんて、百も承知だったと思いますよ。
 
 
 本来だったら、視聴者が分からないような言葉は、
 作品の中で使うべきではありません。
 
 しかも子供向けの作品なんだから、余計にそういうところには
 気を使わなければいけないのが「普通」です。
 
 普通だったら、子供向けの作品に
 「ネギボウズ」という言葉は、出てきません。
 
 
 
 でも、ブタゴリラの父のキャラクターから考えた場合、
 「ネギボウズ」という言葉は、発せられて当然の言葉なのです。
 
 なぜならブタゴリラの家、すなわち熊八さんの商売とは、八百屋だから。
 
 昔かたぎの八百屋。八百屋なんだから当然、ネギの花だって知っているはず。
 
 だから、コロ助のちょんまげを見たときに、熊八さんだったら
 「おい、ネギボウズ!」という言葉は自然と出てくる。
 
 で、コロ助の「ネギボウズじゃないなり! コロ助なり!」という、
 お決まりの台詞へと繋がるわけです。
 
 
 
 繰り返しますが、普通だったら、熊八に「ネギボウズ」なんて
 台詞は、言わせません。だって、子供たちが分からないんですから。
 
 子供たちが理解できる、分かりやすい呼び名に変えるはずです。
 
 でも、藤子F先生はそうしなかった。
 
 キャラクター(ブタゴリラの父)の言動を第一に考えて
 「ネギボウズ」と呼ばせているんです。
 
 
 
 そして結果的に、
 
 熊八「おい、ネギボウズ!」
 コロ助「ネギボウズじゃないなり! コロ助なり!」」
 
 という掛け合いは『キテレツ大百科』の歴史に残る名台詞となりました。
 
 
 
 子供を子供扱いせず、大人扱いしたからこそ、
 藤子F先生は、数々の児童漫画の傑作を生み出せたのだと思います。
 
 庭のネギボウズを見て、そんなことを考えました。
 
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 藤子F先生の作品を読んだことがない人は、
 まずはSF短編集をおすすめします。星新一が好きな人なら、絶対好きなはず。
 
 このシリーズは面白いですよ。だまされたと思って、読んでみて。
 大人が読んで楽しめる漫画です。
 
 『ドラえもん』と同じ作者だとは、とても思えない内容です。
 
 
 『ミノタウロスの皿』
 http://www.amazon.co.jp/dp/4091920616/ref=nosim/?tag=katonodoka-22
 
 『気楽に殺ろうよ』
 http://www.amazon.co.jp/dp/4091920624/ref=nosim/?tag=katonodoka-22
 
 『箱舟はいっぱい』
 http://www.amazon.co.jp/dp/4091920632/ref=nosim/?tag=katonodoka-22
 
 『パラレル同窓会』
 http://www.amazon.co.jp/dp/4091920640/ref=nosim/?tag=katonodoka-22
posted by 加藤のどか at 12:00| 高知 | いろいろなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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