2009年04月18日

田舎で起業!

inaka2

 
 毎週土曜日は、各種おすすめ本を紹介する書評の日。
 
 きょうご紹介するのは、田中淳夫著『田舎で起業!』です。

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 田舎で収入を得ようと考えたときに、おそらく一度は頭に浮かぶ選択肢が
 「起業」だと思います。でも大半の人は、こうも考えるはず。
 
 
 ・都会でうまくいかないのに、田舎でうまくいくはずがない
 
 ・消費者が少ないんだから、もっと難しいはず
 
 ・田舎社会は閉鎖的だから、新規参入なんて難しい
 
 
 本当にそうでしょうか。
 
 
 僕は、都会の暮らしと田舎の暮らし、両方を体験していますが、
 事業を起こすのであれば、田舎のほうが簡単だと思っています。
 
 
 もっとも、目標がめちゃめちゃ大きい人は無理ですよ。
 
 
 起業して5年以内にマザーズに上場してIPOで100億くらいの
 キャピタルゲインを得たい、という目標がある人だったら、
 田舎で起業するのはおすすめできません。
 
 そういう目標ならば、やはり東京が有利でしょうね。
 
 でも、自分と家族が暮らしていけるくらいの個人事業をやりたいと
 いうのであれば、都会よりも田舎のほうが有利だと思います。
 
 
 たしかに、田舎は人口が少ないです。消費者も少ないです。
 
 
 でもね。ライバルも少ないんですよ。(゜▽ ゜)独壇場なんです!
 
 
 僕が住んでいる所は、人口が4000人ほどの、山間部の小さな町です。
 
 コンビニは1軒、スーパーは1軒、ラーメン屋も1軒しかありません。
 パン屋やケーキ屋さんに至っては、ありません。ゼロです。
 (コンビニでパンは売っているけど、パン専門店は無い)
 (ときどき移動パン屋が来るけれども、それはカウント外)
 
 
 さて。この町で僕がケーキ屋さんを開くとしましょうか。
 
 
 するとライバルはどこか。コンビニのケーキです。そこしか無い。
 つまり、ちょっとマトモなケーキを作れれば、地域一番店になれる。
 
 消費者は少ないですよ。周囲の町まで含めても、1万人もいないでしょう。
 でも自分と家族が生活していくには、十分な人口じゃないでしょうか。
 
 
 しかし、僕がケーキ屋さんを
 オシャレ様が集う東急東横線は自由が丘で開店したとしましょうか。
 
 
 ケーキに興味がある消費者は多いです。人口も多いです。
 
 
 雑誌に紹介されるチャンスも多いでしょうし、うまくいけば、
 田園調布のマダムたちも買いにきてくれるかもしれません。
 
 
 でも、ライバルも多いです。
 場所代が高いから、開店資金もたくさん要ります。
 
 自由が丘で一番のケーキ屋さんになるための技術は、大変です。
 何年も修行しないといけないんじゃないでしょうか。
 
 僕には、とても出来ません。そんな技術を習得するのは無理だと思います。
 
 
 でも「コンビニのケーキ」を越えるのは、簡単そうじゃないですか。
 たぶん僕でも出来ます。ちょっとケーキづくりを学べば、できそうです。
 
 
 一言でいえば「田舎はゆるい」んです。楽なんです。競争が無いんです。
 
 ケーキ屋さんが軒を連ねる自由が丘よりも、
 ケーキ屋さんが全く無い高知県山間部に開店するほうが、簡単なんです。
 
 
 もひとつ言えば、田舎は「働き盛りの人」が少ないということがあります。
 
 
 人口ピラミッドでいえば、20代〜50代くらいが少ない。
 みんな都会に働きに出ているんです。仕事が無いからといって。
 
 ということは、田舎の人口の大半は「純粋な消費者」でもあるんです。
 
 都会は、人口の割には「純粋な消費者」は少ないと思います。
 お金を稼ぐ気マンマンのライバルも、すごく多いんです。
 
 でも田舎では、お金を稼ぐ気マンマンの若い世代が少ない。
 本当にライバルが少ないんです。
 
 ましてや「起業(ケーキ屋であれ)」をしようと思う人なんて、
 言っちゃ悪いかもしれませんが、ほとんどいません。
 
 
 田舎は、消費者は少ないです。
 でも「起業家(商売人)一人あたりの消費者」だったらどうでしょうか。
 
 こんな統計はありませんが、僕の感覚では、
 田舎のほうが「起業家一人あたりの消費者」は断然に多いと思います。
 
 田舎は消費者が少ないから不利とは、一概に言えないのです。
 むしろ有利な面のほうが多いと思うのです。
 
 
 
 また、田舎には「ハード」が多いのです。
 
 以前の書評でも触れましたが
 http://archive.mag2.com/0000246354/20080308114500000.html?start=100
 
 徳島県の上勝町というところは「葉っぱ」を商品にして、
 大々的なビジネスを成功させています。
 
 上勝町には、もともと「山の木々」というハードがありました。
 そして、「植物の育て方に詳しい高齢者」という財産もありました。
 
 そこに加えたのは「葉っぱを商品にして売る」というアイデア。
 
 ソフトです。知恵ですね。足りなかったのは、そこだけ。
 あとは全部、今まであったものなんです。
 葉っぱも栽培技術も、もともとあった。でも誰も気づかなかった。
 
 
 田舎に「ハード」は多いのです。ハードとはつまり「自然」です。
 
 きれいな川がある。でも、そこを「観光スポット」にするソフトが無い。
 じゃあ、そこでカヌーの体験が出来るようにしたら、どうか。
 それだけでも、ひとつのビジネスが浮かび上がります。
 
 
 本書『田舎で起業!』には、田舎のハードを生かして、
 いろいろなビジネスを起業した人の事例が紹介されています。
 
 離島から特産の岩牡蠣をネット販売する人、
 週休4日の、のんびりとした観光農園を経営する人、
 田舎ビジネスの参考になる様々な事例が紹介されています。
 
 
 ライバルの少ない、そしてビジネスになる「ハード」の多い田舎で、
 一旗あげてみようという人には、オススメの本です。



 
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posted by 加藤のどか at 11:45| 高知 ☀| 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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