2009年04月06日

ゲシュタルト構成

棚田.jpg

 僕が借りている田んぼは、家から車で15分くらいかかるところにあるんです。
 山道を延々と登りつめた、棚田の最上段にある田んぼです。
 
 そこの地主さん(胡錦濤に激似)から、こんなことを言われました。
 
 
 「田んぼの裏の山ぁ越すと、すぐカトー君の家に出るで」

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 そのときは「へー、そうなですかー」とか答えていたんですけれど、正直、意
 味が分からなかったです。だって、車で15分かけて来ているんですよ。それ
 が「この山の裏が、僕の家」とは、どういうことなのか?
 
 地形図を見てみると、たしかに「山を越えたら僕の家」なんです。
 
 山の北側に僕の家、南側に田んぼがあるんです。田んぼの「裏山」と、家の窓
 から見える山とが、同じ山だったんです。それに何年も気づかなかった。
 
 つまり、北側から南側へと、山をぐるーっと回るようにして道が通っているか
 ら、えらい遠いように感じていたんですけれど、直線距離だったら非常に近い
 ところに、田んぼは位置していたんです。
 
 
 田舎の道ってのは、なかなか覚えにくいんです。特に僕が住んでいるような中
 山間地域では、山に沿って道がくねくね曲がっているから、この道が「どこを
 通っているのか」というのが、理解しにくい。(おまけに、林の中を走るのだ
 から)
 
 田んぼまでの道を覚えるのは簡単ですよ。曲がり角が少ないですから。
 
 「この交差点を右へ、次の交差点を左へ」くらいで覚えられます。でも、地理
 的にどこのへんに位置しているのかが、なかなか分からない。
 
 最初のうちは「この山の裏がカトー君の家やで」とか言われても、全く分から
 ないんですよ。「地形」で把握していないから。「道」だけで覚えているから、
 「山を越える」という発想に至らないんです。(山には道がありません)
 
 
 「道」だけではなく「地形」を覚えだすと、田舎の地理関係が一気に理解でき
 ます。遠いと思っていたAさんとBさんの家は、実は道がくねくね遠回りして
 いるから遠く思えているだけで、直線に歩いていけば意外と近い、なんていう
 ことがあります。
 
 ゲシュタルト崩壊の反対ですよ。ゲシュタルト構成とでもいうんですかね。
 「地形」を理解することによって、田舎の風景が一変するんです。(ついでに
 言えば、「水系(水の流れ)」を理解すると、さらに世界が一変します)
 
 
 東京に住んでいる皆さん。乃木坂から六本木に行くときに、どうしますか? 
 
 東京の地理に詳しくない人だったら、地下鉄の路線図を見て
 「千代田線で乃木坂→赤坂→国会議事堂前→霞ヶ関、
  霞ヶ関で日比谷線に乗り換えて、霞ヶ関→神谷町→六本木」
 となるんじゃないでしょうか。乗り換え1回の、5駅分。ずいぶん遠いです。
 
 でも、乃木坂から六本木への正解ルートは「徒歩」。乃木坂から六本木なんて、
 たいした距離じゃないんです。ヒルズが見えるくらいの距離ですよ。地下鉄で
 行こうと思えばずいぶん遠いですが、歩けば近いんです。
 
 東京の地理が分かってくれば「徒歩」という手段を使えるようになります。今
 まで地下鉄&JRしか知らなかった人が、東京の地理を理解して「徒歩」を使
 い出せば、世界が一変すると思います。ああ、乃木坂と六本木はこんなに近かっ
 たんだなぁ、と。世界が一変する。ゲシュタルト構成される(←こういう言葉
 があるかどうかは、知らないですよ)。
 
 
 田舎の「道」もそういうことです。道が地下鉄、地形が徒歩。特に山間部では
 地形が複雑になっていますから、地形を把握することによって、道の理解が格
 段に進むんです。
 
 地理を把握する一番手っ取り早い方法は、地形図を片手に、高いところから見
 渡すこと。山の頂上に展望台があれば、それも良し。そんなところにいって、
 山や川、谷の地形に注目しながら、全体像を把握します。
 
 すると、今まで遠いと思っていた田んぼが意外と近かったり、道がついていな
 いだけでAさんとBさんの家が驚くほど近かったり。なんていう発見が、いろ
 いろとあるのです。
 
 田舎の道は「地形」で理解しましょうね。

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posted by 加藤のどか at 11:45| 高知 | 田舎暮らしのこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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